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仮面の話

仮面と言っても、今回は「仮面浪人」の話。

以前、ある人に聞いた話なのだけれど、仮面浪人を1年続けていたといいます。自分が「どんな感じだったの」と聞くと、大学には夏まで通った後、受験に専念し、全くキャンパスには行かなくなったとのこと。合格していたのは、かなり上位の有名大学です。

話では聞いたことはありましたが、実際、会ったのは初めてなので随分と質問したように思います。やはりその人には「医者になる」という目的があったので、諦めきれなかったと繰り返しました。

話を聞きながら、穏やかな表情をしているけれど、芯がしっかりしている人だと思わずにはいられませんでした。

これまでも、受験次第では、涙を飲んで志望校を下げるというケースはあります。大学受験はそんな簡単ではありません。そんな中で、仮面浪人を決意したのは、むしろかなりレアなケースだと思います。通常では、進路を変えるなどし、ずるずるとそのまま大学を卒業するのがほとんどです。

通常の大学の授業があり、その合間にひたすら受験勉強というのだから、並大抵の根性ではできません。入学金やら学費まで既に払い込んでいるわけで、いずれは親を説得しなければいけないわけです。友人関係は翌年には解消されるので、できる限り希薄にしないといけないし……。せっかく大学に入ったのに、キャンパスライフを気持ち裏腹に過ごすわけですから、想像を絶する大変さだったのだと思うのです。

でも、その人には「医者になりたい」という信念がありました。

誰にもくつがえすことができなかった信念です。世間的な体面などもあったのかもしれませんが、それにしても、親の気持ちを考えると「トホホ」という感じだったでしょうね。かなりの額が消えたわけですから……。やはり、子育てにはお金がかかります。

思うのは、早めに学習することも大切でしたし、現役合格をいかに手に入れるかに重点を置く高校生活も必要だったはず……。普通に予備校に通うのと金額的にどう違うのかわからないのですが、本人にはもう一度受験すれば受かるはずという確信のようなものがあったのかもしれません。

個人的にはおすすめしませんし、「ぜひ、超塾へ」と思うのですが、目標実現のために取る道は人それぞれなのかもしれません。随分大変な道を選んだなと思わずにはいられませんでしたが…。

一つ思うことは、自分が病気になったらその人に診断してほしいと思ってしまいます。やはり、強い目的意識を持った人は、何かが違うと思うからです。